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補聴器の審査と認証が一本化、韓国の新制度が示す上市短縮の波

2026年10月12日 コラム 読了目安 約3分

ニュースの概要

韓国食品医薬品安全処が、補聴器や歯科用インプラントなど暮らしに身近な2等級医療機器を対象に、審査と認証を一括で申請できる仕組みを加えた。これまでは技術文書の審査と認証の申請を別々に進める必要があった。新制度では両方を同時に受け付けるため、製品を市場に出すまでの期間が約40日から25日へ縮む見通しだという。制度の追加は2026年9月30日である。書類の往復や待ち時間を減らし、開発企業が早く製品を届けられるようにする狙いだ。補聴器のように改良のサイクルが速い製品では、数週間の差が競争力に直結する。

引用元: 韓国、補聴器など2等級医療機器の審査・認証をワンストップ化(Daum)

分析・見解

40日から25日への短縮が持つ本当の重み

15日の短縮は、数字だけを見ると小さく感じる。しかし補聴器の開発現場では事情が違う。

補聴器は、集音の仕組みや雑音を減らす処理、スマートフォンとの接続機能が、ほぼ毎年更新される。ソフトウェアの更新ごとに手続きが必要になれば、待ち時間はそのまま開発の足かせになる。審査と認証を一度に出せれば、書類の不備を直す往復も減る。短縮された日数以上に、計画が立てやすくなる効果が大きいと考える。

規制が重い国ほど、手続きの設計が競争力になる

医療機器の規制は、安全を守るために必要である。ただし手続きが複雑だと、体力のある大手だけが有利になる。

韓国は医療機器の輸出を国の成長分野に据えており、手続きの簡素化はその一環と読める。米国では低リスク機器に簡易な届出の道があり、欧州も認証機関を通じた流れを整えてきた。各国は安全の水準を下げずに、入り口の手間だけを減らす方向で競っている。今回の韓国の動きも、その流れに沿ったものだ。

補聴器の規制緩和は世界で同時に進んでいる

米国では2022年に、軽度から中等度の難聴向け補聴器が店頭で買えるようになった。耳鼻科や専門店を通さず購入できる市場が生まれ、新規参入が増えた。韓国の制度は、売り方ではなく承認の手続きを軽くする点で違う。ただ、どちらも新しい製品を早く、安く届ける方向では一致している。

ここに独自の視点を加えたい。承認が早くなると、競争の軸は「通すこと」から「選ばれること」へ移る。許可を取る力に差がつかなくなれば、聞こえの質、装着感、アフターケアの良し悪しが勝敗を決める。規制緩和は、実は製品の中身を問う時代の幕開けでもある。

品質を保てるかが制度の成否を分ける

手続きが速くなる一方で、審査が甘くなる懸念も残る。補聴器は耳に長時間つける機器で、音量の出し過ぎは聴力を傷めかねない。

一括申請の制度が信頼を得るには、市販後の不具合報告や回収の仕組みが整っていることが前提になる。入口を広げるなら出口の監視も強める。この両輪が揃って初めて、短縮は消費者の利益になる。

ビジネスへの影響

日本のメーカーと輸入業者が今すぐ確認すべきこと

韓国市場に製品を出す企業は、新制度の対象に自社の機器が入るか、まず確認したい。対象なら、技術文書と認証申請を同時に出せるよう、書類づくりの段取りを組み替える必要がある。

社内の薬事担当と開発担当が別々に動いていると、一括申請の利点を生かせない。設計の変更点を早く薬事側に渡す流れを作ることが、短縮の恩恵を受ける近道になる。

日本の販売店と事業者への示唆

韓国発の新製品が増えれば、日本にも手頃な価格の補聴器や、聞こえを補う耳につける機器が入ってくる可能性が高い。販売店は価格だけで戦うと苦しくなる。

対策は、測定、調整、定期点検といった対面のサービスを前面に出すことだ。機器が似てくるほど、使い続けるための支えが選ばれる理由になる。

規制の動きを継続して追う体制づくり

各国の制度変更は、半年から一年遅れで日本の議論にも影響する。海外の薬事ニュースを月に一度整理し、自社の計画に与える影響を点検する習慣をつけたい。小さな手続きの変更に早く気づく企業ほど、新製品の投入で先手を取れる。

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